クレジットカード保有率はインドネシアに次いでワースト2位

以下のデータは、多くのベトナム人がこの時期に収入を減らしている現状、また銀行サービスの利用率が低いために支払い方法が非常に限られていることを明確に示しています。

2021年7月6日に発表されたベトナム統計局の報告書によると、2021年第2四半期には、最大で1280万人のベトナム人労働者が、失業やジョブローテーションによる離職、労働時間の短縮など、Covid-19の感染拡大による悪影響を受け、収入の減少や損失を被っています。

2020年にボストンコンサルティンググループ(BCG)が発表したレポートによると、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアの5カ国の中で、ベトナムは銀行口座の保有率(40%)、デビットカードの保有率(34%)ともに最も低い数値となっています。

また、クレジットカード保有率はインドネシアに次いでワースト2位(11%)、ローン口座保有率はタイに次いでワースト2位(15%)となっています。また、ベトナムの電子決済手段の保有率は11%で、マレーシアに次いでこれまた低い水準となっています。

画像出典:Southeast Asian Consumers Are Driving a Digital Payment Revolutionより
画像出典:Southeast Asian Consumers Are Driving a Digital Payment Revolutionより

そのため、この時期にベトナムの多くの人たちが困難な状況に直面していることは想像に難くありません。生活をより快適で楽にしてくれる製品やサービスを購入する余裕がなく、また、新しい技術を学び、新しい仕事を見つけ、より良い生活を送る機会さえも、お財布に優しい柔軟な代替決済手段を利用できないことで、遠のいてしまうのです。

そこで私は、さまざまな決済方法を調べた結果、BNPLという最も適したソリューションを見つけました。多くの人がこの支払い方法を通常の分割払いと混同しているかもしれませんが、根本的な違いは「利息」にあります。

通常の分割払いを利用した場合、消費者は返済期間中に分割払いの利息を支払わなければなりませんが、BNPLのサービスでは、基本的にその利息は発生しません。

ベトナムでBNPLのサービスを提供するスタートアップはいくつかあります。その中で私が見つけたのはFundiinでした。

Fundiinの利用イメージ
Fundiinの利用イメージ

買い物の支払い方法としてFundiinを選択すると、消費者は3回の分割払いを指定できます。注文金額の3分の1ずつを1回目は購入時に、2回目は購入後30日以内に、最後の3回目は購入後60日以内に、それぞれ支払うことになります。

期限内に支払えば、利息はゼロです。消費者が期限内に支払わない場合は、毎週未払い額の0.6%のペナルティ(延滞金)が課せられます。