BNPLでは、無利息の特典を利用して期限内の支払いを促し、次回の利用時には利用限度額を引き上げる仕組みを持っています。消費者のタイムリーな支払いは、消費者自身の「クレジット残高」に貢献します。これによりBNPLは、人々が自分の信用度を高め、より良い機会へのアクセスという利益を享受する社会の構築を促進します。

金融テクノロジーと、柔軟でユーザーフレンドリーな新しい決済ソリューションを提供するという大きなミッションを持つFundiinは、人々が商品やサービスに手頃な価格でアクセスし、生活の質を向上させるのに役立つと信じています。

私たちは、Fundiinのようなスタートアップ企業が、より豊かな社会の実現に向けて、これらの課題を一歩一歩解決していくことを期待しています。

失敗を経験した創業者が、次のチャレンジに生かす重要な教訓

昨年、Fundiinの共同創業者兼CEOのグエン・アン・クアン氏と初めてお話しする機会がありました。その時は性急なコミュニケーションだったので、あまり印象に残らなかったのですが、半年ほど経った頃、偶然にもベトナムのビジネスやカルチャーに関するデジタルメディア「Vietcetera」のPodcast「Vietnam Innovator」を聴いていたら、クアン氏がFundiinでの挑戦について語っているエピソードがありました。

穏やかな物腰、謙虚な姿勢、金融業界以外の人でも理解しやすい言葉を慎重に選んでいて、彼がやりたいBNPLのサービスを明確に理解することができました。特に感心したのは、以前の投資キャリアで蓄積したお金を立ち上げたスタートアップですべて失ってしまうような失敗に直面し、そこで得た貴重な教訓をFundiinでの挑戦に反映させていることです。

クアン氏はFundiinを創業する前に、2017年から3年以上にわたって「Lendiz」というスタートアップを経営していました。Lendizが提供していたのはバイクの購入資金と教育費用にフォーカスした分割払いサービスです。

当時、Lendizの他にも分割払いサービスを提供する企業はいくつかあり、HomeCreditやFECreditなどの大手企業も参入していました。競合他社が提供するサービスと比較して、Lendizのサービスには競争優位性がありませんでした。

それでも強引に大々的なマーケティング施策を実施したところ、その実績としてバイク購入者1000人、学生100人というユーザは獲得できました。ただ、ユーザーの信用スコアリングシステムが未整備だったため、急なスケールに対応できず、最終的にユーザーからの回収も実現せず、多くの借金を抱えてしまった失敗があったそうです。