• 2022年のトレンド予測

2020年ごろからコロナによって教育のデジタル化が加速し、リカレント教育(社会人の学び直し)やリスキリング(新たなスキルの獲得)領域が盛り上がっていましたが、いまはオンライン学習体験の形がより共創型・インタラクティブ型に進化していく兆しが見られます。

例えば、UdemyやCourseraのような従来の動画でのオンライン学習(MOOCs型)ではなく、プロジェクトやワークショップ型の共同実践を通じて学ぶコホート学習やPBL(Project-Based-Learning)が主流になっていく点が挙げられると思います。
Cohort学習はすでに海外では注目を集めている学習形態であり、Udemy共同創業者らが設立したコホート学習のスタートアップ、Mavenはa16zなどから2000万ドル(約22億円)を調達しているので、この流れは今後広がっていくだろうと予想しています。

また、2022年4月から18歳が成人となり、Z世代の社会参画がさらに促進されることで、ジェンダーやサステナビリティなど、感度の高い世代の価値観をより一層理解することが企業にも求められるようになりそうです。

古川健介氏 / アル代表取締役CEO

  • 2021年の振り返り

主に、クリエイターエコノミー・Web3の領域が一気に話題になったと思っています。

これらを抽象的に解釈すると、「インターネット上で活動をする個人たちのマネタイズ手法が一気に拡大する兆候が来ている」だと思っています。企業などによる中抜きをなくすのがインターネットだ、といわれていましたが、その部分が文化的に浸透してきてようやく花開いた、という面と、「プラットフォームが多くを中抜きするよね」というところで、Web3への期待が強くなっている、という両方の側面がありそうです。

また「サブスクリプション」という手法が一般化したことで、SaaSが花開いたのと同じように、C向けビジネスがこれから花開く背景になりそうな予感があります。

2020年では、コロナによって活動の場所がオンラインに移行するケースが多くなっていたものの、まだ「仮の手法」という感じでした。それが長引くことで、本格的にオンラインに軸足を移している人が増えてきたからこそ、このような流れがぐっと来ているのだと思います。

  • 2022年のトレンド予測

「もうすでに来てる」と思われがちですが、意外と「ライブ配信」はここからな気がしています。リッチなリアルタイムコミュニケーションに人は向かうはずなので、「メタバース以前のコミュニケーション手法」として、小規模で話すライブ配信などが水面下で進化していくような気がしています。