一方、国債の年限長期化は最もあり得る緩和策だ。実は、白川方明前総裁下で任命された審議委員6人の立ち位置が第三の関心だ。総裁、副総裁3人を合わせた計9人の多数決で決まるが、今後、円滑に運営し、緩和策を強力に推進するためには反対票は極力減らしたいところだ。

 年限長期化に関しては「1月会合では2人の審議委員が5年程度の延長案を述べ、2月には3~4人に増えている」(岩下真理・SMBC日興証券債券ストラテジスト)模様で、その点ではハードルが低い。

 財務省出身である黒田氏のほうが白川氏に比べると、「より強く政府に対して財政健全化を求めてくるはず」(政府高官)という意味で期待は高い。黒田氏と最近面会した政府関係者によれば、黒田氏は「大胆な金融緩和策を打ち出す際には財政を引き締める必要がある」との認識を示したという。

 政府に対してどこまで強い姿勢を貫けるのか。緩和策もさることながら、黒田新総裁の真価はここで問われることになる。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 池田光史)

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