日経平均株価は年度末に1万2000円が妥当株価と予想される。しかし、それはあくまで妥当株価。楽観的な見方が支配的となれば上にオーバーシュートするだろうし、悲観的な見方が支配的となれば下にオーバーシュートするのが相場の常である。

 もしも年度末に翌年度の好業績という期待がふくらめば1万3000円も想定内だろう。

 新興国を中心に世界景気が回復へ向かい始め、日本経済もきわめて緩やかながら歩調を合わせ始めてきた。日本の2009年7~9月期の実質GDP成長率(改定値)は、年率でプラス1・3%と2四半期連続で回復を示している。

 もっとも同期の名目GDP成長率は、マイナス3・4%と6四半期連続で水面下だった。こうした違いは言うまでもなく「デフレ」のせいだが、デフレ経済下では名目のほうが実体経済に近い。株式市場もインフレ率など、ほとんど考慮しない名目の世界である。