老害にならないためのコツ、周りの客をイライラさせないためには
この 「会計後駐車券」や「会計後レジ袋」 のような行為は、高齢者に限らず誰もが無意識にやってしまいがちなので、読みながらハッとした人もいるのではないでしょうか。
申し訳なさそうにしているならば、周りにも仕方がないと思ってもらえるでしょうが、当然のように振る舞うのはよくないです。よって、自分の都合だけを考えず、相手や周囲の人たちのことにまで意識を向ける――これを頭の片隅に置いておくことが重要です。
割り込みではなくても、知らずしらずのうちに高齢者はレジで後ろを待たせてしまうことがあります。最新式のレジのシステムについていけなかったり。財布からお札や小銭をスムーズに取り出せなかったり。「最近、年とっちゃって、嫌ねぇ」などと店員さんに話しかけたり。
当然、悪いことはひとつもないので、必要以上に気にしなくてもいいのですが、世の中には心ない人もいますからね。高齢者のそういう行動に、イライラする人もいるということだけは、意識しておいたほうがいいかもしれません。
安心して、落ち着いて買い物をしたい場合は、お店が混雑する時間を避けて利用するというのもひとつの手でしょう。例えばスーパーで夕飯の食材を買うのなら、夕方は混むので、14~15時くらいに済ませてしまう、というようなあんばいです。空(す)いていれば店員さんにゆっくり対応してもらえますし、アットホームなお店ならおしゃべりに付き合ってくれるかもしれません。
自由すぎる高齢者にはやさしく、ていねいに
お店でUさんのような人に遭遇した場合、あなたがお客さんの立場だったら、老いハラ(※手当たり次第に高齢者を批判するハラスメント)目線を向けず、温かい目で見守ってあげましょう。そもそも悪気はないうえに、お年を召(め)して、物理的にも心理的にも、視野が狭くなっている可能性があると思えば、イライラはだいぶ抑えられるはずです。
あとはお店側に任せればOK。度が過ぎる場合は、店員さんが注意してくれたり、別のレジを開放してそちらに列を誘導してくれたりするでしょう。
あなたがお店側の立場だったら、無意識の割り込みが発生しないような環境づくりをする(もしくは上司にそう進言する)ことをご検討ください。求められるのは、ルールや注意点の“見える化” です。
そもそも割り込みをしづらい配置やシステムを採用したり、列の並び方や優先順位などをわかりやすく図で説明したり、大きな文字や絵で支払い方法のマニュアルを示したファイルをあらかじめ用意したり。
やれることはたくさんあると思いますし、これからさらに加速していく社会の高齢化のことを考えたら、必要不可欠の対策になってくるはずです。
お客さんとの関係がよくなり、お店の評判が上がり、「社会の壁」がなくなっていけば、最高の状況といえるのではないでしょうか。