昨年12月3日、シリコンバレーのマウンテンビューにある「500 Secret Lair」で、500 Startups(以下500)のメンター・ミーティング開かれていた。筆者はその場で代表のデイブ・マクルーア(Dave McClure)氏の言葉に、一瞬耳を疑った。なにしろ、10以上の国をあげて、国際展開すると言うのだ。もともと500はグローバル戦略をとってきたが、これは予想を超えていた。

第24回に続き、第2回でも取り上げた米国スーパーエンジェル500について、一年を経ての続報をお届けする。

 社名の500に迫りつつある投資社数もさることながら、33ヵ国のスタートアップに投資している点は、他に類をみない。500が米国に留まらず世界に展開するのはなぜか? どのような地域に力を入れているのか? どのようなアプローチで取り組んでいるのか?

 今回は、500のグローバル展開、そして日本関係の活動について紐解いてみたい。

世界にオープンな育成プログラム
各国の起業家コミュニティとつながる

 グローバル展開は500 Startupsの設立時からの一大方針だ。世界中にいる優れた起業家人材とつながり、共に成功しようと志している。

 一年前は、投資した会社の10%が米国外だったが、いまは15%ほどに上昇している。今年2月に終えたアクセラレーター・プログラムでは参加33社中19社と、6割近くが米国外からの参加だった。ラトビア、エストニア、クロアチア、インド、日本、台湾、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチン、オーストリア、デンマーク、イタリア、スペインと様々な国からスタートアップがシリコンバレーに集まった。