高山 多くの個人投資家の方々は、私も含めて、いかにしてお金をつくるかってことを考えていると思うんですけど、テスタさんの「自分の記録を超えたい」という投資哲学は普通の人とはレベルが違いますね。

テスタ 僕も最初は1ミリもそんなこと考えていなかったですし、家に引きこもって生活できるんだったら、そんないいことはないわと思って。

高山 あ、最初はそんなモチベーションだったんですね(笑)。

テスタ 株を始めるとき、ラクして稼ぎたいというモチベーションから始める人が多いと思います。実際にやってみたらそんな簡単じゃないことに気づかされるんですけど……僕もそれで生活できるんだったらそんないいことはないなと思い始めました。

 ただ、「今の資産なら一生これで生活できるな」って思った瞬間があったんですよね。それから急に勝てなくなって、まったく資産が増えない時期がありました。努力しなくなったんです。

 株でリスクテイクする意義が見いだせなくなりました。そのときは、まだ兵庫県の田舎に住んでいたんですけど、これは危ないと思って、生活環境を変えなきゃいけないと思って東京に来たんです。

 東京へ来て、家賃を一気に上げて、今の資金では一生は暮らしていけないっていう環境に自分を追い込みました。そうしたら、また勝てるようになったんですよね。

高山 一般の投資家も同じですか?何のために自分が投資をしているのかっていう目標がしっかりしていないとモチベーションを保てないんでしょうか?

テスタ そうだと思います。僕の話は極端な例かもしれませんが、一般の人であれば「将来、絶対に1億円を達成する」とかでもいいと思います。でも、達成した後に次の目標やモチベーションをうまく見つけないと先が続かなくなってしまいます。

高山一美さんPhoto by Shinya Morimoto
高山一実さんPhoto by Shinya Morimoto