第2条
長期的な運用から
大きく逸脱するな

 多くの投資家にとって、アベノミクスがフォローの風として「当面」吹き続けることは期待してよさそうに思う(外れても責任は取らないが)。しかし、「当面」が具体的に「いつまで」なのかがわからないことには、注意が必要だ。

 よく分散投資された運用であっても、株式などのリスク資産に投資する場合、1年で資産の3分の1程度の損が発生する可能性は絶えず頭に入れておく必要がある。

 たとえば、金融資産を1000万円持っている人がいて、運用での損として許容できる額は200万円が上限だと思うなら、リスク資産に投資していいのは600万円までだ。

 定期収入のある元気なビジネスパーソンなら、借金しない範囲であれば、当面使わないお金のほとんどをリスク資産で運用しても問題ないことが多かろうと思うが、投資対象には注意が必要だ(たとえば、運用の中身が完全にはわからないものや、1週間以内に必ず換金できるものでないものはダメ)。

 仮に、1000万円持っている人が、通常の投資環境でリスク資産に500万円投資してもいいと思うとしよう。

 この人の場合、アベノミクスで好環境が続くと見て、より強気になるとすれば、せいぜい600万円に100万円ほど投資を増額するくらいが「ほどほどの上限」だろう。逆に、明らかなバブル崩壊時を除いて、400万円くらいのリスク資産への投資ポジションは維持しておく方がいい。

 自分の好環境・悪環境の判断能力を過信してはいけない(専門家を含む他人の判断を信じるのはもっといけない!)。

 資産運用は、資本を通じた生産活動への参加が本質なので、原則として長期的に継続することが有利な活動だ。「長期的に適切」と考える運用から、大きく逸脱しない方がいい。チャンスだ、ピンチだ、という、たかだか自分の判断に過剰反応してフォームを崩さない方がいい、ということだ。