部下はリーダーの30%しか
仕事ができない

 営業マネジャーに限らず、すべてのリーダーが必ず受け入れなければならないことがあります。それは次の3つです。

【リーダーが受け入れる3つの指針】
 ・部下はリーダーの30%しか仕事ができない
 ・組織はリーダーの器以上に大きくならない
 ・部下に決して弱みを見せてはならない

 部下を持ったら真っ先に受け入れることは、「部下はリーダーのせいぜい30%しか仕事ができない」ということです。実際には20%とか40%かもしれませんが、心構えとしては、部下は自分の3分の1程度しか仕事ができないと考えておくことです。

 リーダーの中には、「自分にできるのだから部下にもできるはず」「これくらいはできて当たり前」という態度で部下と接している人がじつに多いのです。このような姿勢で接していると得てして否定的な態度になり、部下の短所ばかりに目を向けたり、平気で部下の悪口を言うようになってしまうものです。

 もちろん、長い目で見れば「自分にできることは部下にもできるはず」と考えるべきですが、充分な教育もしていないうちにそれを望んではならないのです。まずは「部下は自分の30%しか仕事ができない」という前提で接していくことです。

 このように考えれば、部下への接し方も自ずと変わるはずです。指示の出し方ひとつとっても、より丁寧で具体的なものになるでしょう。ましてや、仕事ができない部下を否定することはなくなるはずです。上司が部下を否定するのは、自己否定をするのに等しい行為といえます。

 そもそも、あなたと同じくらい仕事のできる人が、あなたの部下でい続けてくれるはずはありません。あなたと同じようにマネジャーになっているか、よその会社に転職してしまうでしょう。人は自分よりも能力の低い人の下で働き続けることはありません。その場から逃げ出すか、上司の足を引っ張るようになるものです。