ベンチマークは類書でなくファッション誌

 先回の第59講では『経営戦略全史』の誕生秘話を紹介しました。そこでは出版社の社長(干場弓子さん)自らによる欲求とディレクションが本のアイデアの源泉でした(お陰さまでAmazonビジネス・経済3位、3刷が決定しました)。

 私にはそんな「作品」と呼べる本がもう2冊あります。『ルークの冒険』(2011年)と、5月14日刊行の『親と子の「伝える技術」』です。

 まずは『親と子の「伝える技術」』のカバーと、中身を見てください。

本のアイデアはどこからくるの?<br />~「なんでもありってことですね」でジャンプした<br />『親と子の「伝える技術」』


 いかがでしょう? デザインとして目指したのは「教育書」「育児書」ではなく「ファッション誌」でした。メインターゲットである20~40代の母親たちに、いかに届くかを追究して、このデザインになりました。

 いや、時間をたどれば、それは結果論にすぎないのかもしれません。本当は「クリエイターがやりたいこと」から来たジャンプだったのです。