そんなSOSボタンは、かつてはタクシーや一部の高級車だけに搭載されているものでした。そのため意外と知らない人もいるようですが、数年前から新型車に搭載され始めています。設置場所はクルマの天井付近であるケースが多いです。
悪質な運転者が迫り来る中、クルマを操作しながらスマホを取り出して110番通報をするのは至難の業です。電話で通報している現場を見られることで、相手がさらに逆上する恐れもあります。そんなときに、押すだけで相談や通報の依頼ができるSOSボタンは非常に有用です。もし愛車が未対応の場合は、クルマを買い替える際に搭載済みのモデルを選ぶことをおすすめします。
あおられる「きっかけ」を
作らないことも重要
ただ、あおり運転を「する側」の立場になってみると、そこには何らかのきっかけがある場合がほとんどです。もちろん何があったとしても、決してあおり運転をしてもいい理由にはなりませんが、「強引に割り込んできた」「ウインカーを直前まで出さずに右左折した」など、「される側」のマナー違反が引き金になるときもあります。
筆者の肌感覚として、きっかけとなりやすいのは「高速道路の追い越し車線を走り続けること」です。なおかつ、そのスピードがゆっくりだと後続車のイライラを助長させます。「いつまで走っているんだ」「早く進路をゆずってくれ」と怒りを買うわけです。
追い越し車線とは、その名の通り、追い越しをするための車線です。早く目的地にたどり着きたいからと、延々と走り続けるのは道路交通法違反(車両通行帯違反)です。また、追い付かれたクルマは後続車に進路を譲る義務があるほか、追い越しが終わるまでその進路を妨害してはならないと規定されています。
これらの法規を知らずに運転していると、やはり後続車のドライバーの怒りを買ってしまいます。ドライバーである以上、交通ルールは「知らなかった」では済まされません。ルールにのっとらない走行をしていることで、相手は「なぜルールを守らないんだ」と不快に思い、あおり運転へと発展してしまうのです。
この他にも、たとえ故意ではなかったにせよ、無理な車線変更や急ブレーキといった危険な運転もあおられるきっかけになります。無用なトラブルを避けるためにも、「いまの運転、ひょっとしたら相手にとって危険や迷惑だったかもしれない」と思ったら、アイコンタクトやハンドサインなどを使って早めに謝意を示すようにしましょう。