
10年、20年先の社会の変化を見据えて、子どもの教育を考え始める親が増えている。幼児から高校生まで教える人気学習塾「VAMOS」の富永雄輔代表が、教育の新潮流から、子供の学力の伸ばし方のヒントなどを解説する。連載第12回からは3回に分けて、2025年の中学入試を振り返り、全体の総括と東京、神奈川、千葉、埼玉の地域別の傾向、新たなトレンドなどを富永氏に語ってもらった。今回は「全体のマクロな傾向」を解説する。(進学塾VAMOS代表 富永雄輔、構成/ライター 奥田由意)
「番狂わせ」は起こらなかった
2025年の中学受験
2025年の中学受験が終わりました。今回から3回にわたって今年の中学受験を振り返り、全般的な傾向、東京、神奈川、千葉、埼玉の地域別にどういう学校に人気が集まったのか、御三家、御三家以外の超難関校、新興校、中堅校などの状況はどうだったのか、また今後それを踏まえて中学受験をどのように考えるべきかをお伝えします。今回は、マクロ傾向について、受験校選びのポイントの新たなトレンド、どういう学校が「よい学校」なのか、などについて解説していきます。
今年の中学受験は、近年の傾向と大きく変わることなく、特段、「番狂わせ」のようなこともありませんでした。受験者数は前年比でわずかな減少にとどまり、従来通りの活気を保っていました。むしろ少子化の影響を勘案すると、中学受験の割合自体は実質的に増加していると考えることができます。また、受験パターンも多様化しており、複数の学校を受験するケースも増え、むしろ、やや過熱気味とも言える状況が続いています。