本当はやっていないこと「やった」、できないことを「できる」といって入社したので、会社側はそれに基づいた評価をしています。つまり、著しく過大評価された扱いでミッションを与えられ、実力よりも高い期待がかけられています。
そこで期待通りの成果を上げられればよいですが、仕事はそれほど簡単ではありません。多くの場合で期待外れとなり、「あの人、話が違うじゃないか」と針の筵(むしろ)に座らされる結果となります。プロフェッショナルな業態や成果志向の強い会社であるほど、直接的に詰められるでしょう。結局、その会社で長く働き続けることはできません。
面接で話を盛って実態以上の高い評価を得ても、良いことは1つも起こらないのです。話を盛るのは自分の評価を上げようとする気持ちが強すぎるからだと思いますが、面接では自分の評価を上げようと思わないほうがいいでしょう。
そうではなく、自分の実績や実力、考え方や価値観をできるだけ正確に会社と共有することを一番の目的にすべきです。そこがズレた状態では、幸福なキャリアを形成することはできないからです。
転職には何か輝かしい実績が必要だと勘違いしている人も見受けられますが、普通のビジネスパーソンなら必ず何らかの実績があるはずなので、それで十分だと思います。
ところが自分自身の実績を把握できていない人も、意外と多いものです。
「私は関連子会社の経理を担当しているだけで、大した実績はないのですが……」
「関連子会社はどのくらいの規模で、具体的にどんな業務を担当していますか」
「売り上げは100億円規模で、社員は私一人で、あと派遣数人で税務会計と管理会計の両方をやっています」
「それ、けっこうな実績になりますよ!」
こんな風に自分の評価がわかっていない人が少なくありません。話を盛るのではなく、自分のやってきた仕事をきちんと把握し、深く理解することに注力しましょう。
