大手電機メーカーでの楽しかった講演
「確定拠出年金」の有効な使い方とは?

 私事で恐縮だが、楽しかった仕事の話をしてみたい。

 先週、ある大手家電メーカーの依頼で、この会社の確定拠出年金の有効な使い方について講演した。

 実施は平日の18時からだったが、当初、東京にあるこの会社の本社の近くのグループ社員を対象に400名ほどで募集をかけたところ、受講希望者が殺到して50分ほどで一杯になり、結局、会場を大きくすることと、講演の動画をイントラネットでも流すことで落ち着いた。

 当日、大きなホールに、実際にたくさんの人が集まったが、これは公平に見て、講師としての筆者の人気というよりも、アベノミクスでマーケットが盛り上がっているお蔭だろう。

 講演の前に司会者から、この企業グループの確定拠出年金の加入者の資産配分や、運用成績の分布の状況が大きなスクリーンに映し出されて説明された。

 名実共にグローバル企業であるせいか、通常の会社よりも元本確保型商品の比率が低く、内外の株式や外国債券に投資する投資信託など、リスクを取った運用資産への配分が大きい。

 そうは言っても、何割かの加入者は元本確保型の資産のみにとどまり続けていて、確定拠出年金の制度が全面的に有効に生かされているとはいいがたい。

 確定拠出年金は、爆発的とまでは言えないが、着実に普及が進んでいる。先般、NTTグループが9万人の社員が対象となっている規約型企業年金を確定拠出年金に移行することを、労働組合に向けて提案したことが報じられた。