新興国投資 2013年6月11日

ワケありマネーの最後の逃避先は、香港!?
タックスヘイブンの最新事情を報告
木村昭二のどんと来い!フロンティア投資

日本人にも人気の香港銀行口座開設は
以前と比べかなり難しくなっている!

 香港の銀行に口座を開設するのは、日本人にも人気です。マネーロンダリングや脱税の目的ではないにしろ「将来、海外移住するための資金をプールしておきたい」「フロンティア市場へ投資する際の送金に便利」「香港には世界中の株やファンドに投資できる証券会社がある」などで、メリットがあるからです。

 香港の大手銀行と言うと、HSBC、スタンダードチャータード銀行、中国銀行[香港]があります。サイトの使い勝手や投資商品の品揃え等から、日本人に人気があるのはHSBCです。本店は香港島の金融街のど真ん中(中環:セントラル)にあります。

 非居住者でも口座を持つこと自体は問題ありません。ただし、現地の本店または支店に口座を開設する場合、本人が直接行くのが原則です。郵送でも可能ですが以前より厳しく、公証役場などでの書類認証が必要です。また、口座開設のために求められる書類はちょくちょく変わります。せっかく現地に赴いたのに、書類に不備があれば無駄足になってしまいます。

 さらに、担当者による面接(英語で行われます)もあって、書類を揃えていたとしても100%に審査に通る保証はありません。

 先日、友人がHSBCに口座開設をしに行くというので、同行しました。用意した書類は「国際運転免許証」「パスポート」およびこれを英訳したものに公証役場で証明印をもらったもの、3カ月以内に発行された「海外銀行の口座証明書」「日本の銀行口座証明書(英文)」。

 書類の不備で「また来てください」ではシャレにならないため、これでもか!というくらい完璧に揃えました。

金融街にそびえ立つHSBC本店ビル内。口座開設に訪れると写真右側の担当者ブースに通され、書類の確認とリスク許容度に関する質問などを受ける。やりとりは全て英語。(Photo:©木村昭二)


 担当者のブースでは口座開設の目的や金融商品のリスク許容度に関する質問があり、やりとりは担当者の電話機ですべて録音されます。別の知人によると、リーマンショック後に顧客との間で「言った、言わない」のトラブルがあり、対策として導入された措置だそうです。

 友人は英語を流暢に喋るので面接は問題なく、無事に口座開設できたと思いきや、当日はあくまで“仮”開設。数日後に国際電話があり「書類が規定を満たさず上司の審査を通らなかった」と言うのです。

 聞けば日本では絶対に用意できない書類(英文の公共料金支払い証書)を挙げて「不備」と言っているので猛烈に抗議、別の書類を送ることで納得してもらったそうです。

 香港で、そこまでしなければ銀行口座を開設できなくなっているとは、正直驚きでした。銀行としても痛くもない腹を探られるのは嫌なので、非居住者に対する口座開設のハードルを上げているのかもしれません。

 反面、これまで軽い気持ちで口座を開設したものの、送金でつまずいて残高0円のまま放置されていたり、英語のサイトを操作するのがしんどくなってずっとアクセスのない休眠口座もたくさんあると聞きます。

 海外の銀行に口座を開設するのはスタートであって、ゴールではありません。利用者の側も、本当に自分に海外の銀行口座が必要なのか、使いこなせるのかを考える必要がありそうです。

口座を開設し、最初に通貨の両替や入金を行う窓口。帰国後は日本の銀行や郵便局から送金、ネットバンキングで通貨のシフトや投資信託の購入などができる。 (Photo:©木村昭二)


 もしも、どこの国にも税金を払いたくない、タックスフリーな人生を送りたいと願うなら、日本の居住者の身分でこそこそ隠さないでもう終身旅行者「PT」(Parmanent Traveler)になるくらいしか、道は残されていません。


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