NISAで再点検すべきポイント(1)
非課税枠を活用できているか?
投資を考える上で見落としがちなのが、「NISAの非課税枠を使い切れていない」という点です。特定口座で資産を運用している方の多くが、NISAでは毎月少額ずつしか投資しておらず、結果的に大きな“空き枠”を残したままになっています。
例えば、特定口座で500万円を運用している方が、NISAでは月5万円の積立だけ。年間の非課税枠360万円のうち、実際に使っているのは60万円ほどで、残り300万円が活用されていないというケースは少なくありません。
このままでは、せっかくの「非課税メリット」を逃してしまいます。もし手元に余裕資金があるなら、特定口座で運用中の資産の一部を売却し、NISA口座に移すことで税負担を軽減できます。
同じ運用でも、課税されるか、されないか。この違いが10年後には大きな差となって現れます。NISAは、非課税枠を使ってこそ価値がある制度です。年末こそ、非課税枠の再点検を行いましょう。
NISAで再点検すべきポイント(2)
運用環境は適切か、口座変更は今年のうちに
次に、NISAを「どこで運用するか」は、思っている以上に大切なポイントです。
銀行や対面型証券会社でNISAを続けている方の中には、手数料や取扱商品の制限によって、本来のパフォーマンスを発揮できていないケースも少なくありません。
ネット証券であれば、手数料が抑えられ、積立や購入の自由度も高く、結果的に資産を増やすスピードが変わってきます。そのため、もし今の環境に少しでも不便を感じているなら、この年末は切り替えを検討する絶好のタイミングです。
NISA口座の金融機関を変更するには「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止届出書」が必要です。これらは変更前(今NISA口座がある)の金融機関に発行してもらう書類で、変更を希望する年の前年10月~当年9月に受け付けされます。
ここで注意が必要なのは、1月以降に変更前の証券会社で非課税枠を1円でも使ってしまうと、その年は書類を発行できなくなるという点です。
積立の自動更新や、投資信託の分配金・株式配当の自動再投資などで、意図せず非課税枠が消費されるケースもあります。
もしそうなった場合には、金融機関の変更は翌年まで待たなければなりません。
来年、口座を変更したい場合は、必ず今年中に積立や自動再投資を止め、書類の発行を済ませておきましょう。
忙しい方ほど今のうちに手続きを進めることが重要です。小さな行動が、長期的な資産形成に大きな差を生みます。







