まだ外に出られない当事者も期待
庵FSで“脱引きこもり”した人たち

 圧倒的に多くの引きこもりの人たちは、家から出られないなどの理由で、この場に来ることができない。毎回記事の巻末に載せているアドレスには、そういう方々からも、「自分は参加できないけれど期待しています」「希望を感じます」といったメールが寄せられる。

 行政や支援団体などが取り組んでいる「就労」は、いまでも必要な選択肢の1つだ。しかし、行政や支援団体では普通には思いつかないであろう「新しい働き方」「雇われない生き方」のアイデアが当事者たちから生まれ、少しずつ変化が始まりそうな予感がある。ここに出て来られないたくさんの仲間たちは、じっと様子をうかがいながら、そんな空気を感じとっているのだろう。

 この庵FSには、運営のためのボランティアスタッフはいるものの、主催者がいない。参加者みんなが作っていく場だ。

 アイデアがある人、企画を立ち上げたい人は、当記事の文末のアドレス、庵FSのフェイスブック等から運営スタッフにメールしてもらい、発案者本人の意向に沿いながら場づくりをして、みんなで一緒に進めていくことになる。

 実際、庵FSに関わり始めて、すでに引きこもり状態から脱却した人もいる。

 会場のスクリーンには、神戸の引きこもり当事者で自助グループ「グローバルシップスこうべ」を主宰する森下徹さんら3人がテレビ電話で登場。森下さんは、神戸のFSでは、恋愛の話から、引きこもっていたからこそできることを話し合ってきたと紹介した。

 また、京都で4回のFSを開催してきた、引きこもり問題を若者と家族のライフプラン(人生設計)の面から考えている京都市のNPO法人「若者と家族のライフプランを考える会」の河田桂子さんも、テレビ電話を通じて、こう報告した。

「働く場、仕事づくりを進めてきた。今年度は、若者が自分たちで企画した案を行政に申請して認められた。今後はアイデアをいただいて、利益をつくってみたい」

 こうして東京と神戸、京都の参加者がつながってトークができると、場に広がりが感じられた。