自分の怒りが収まらないからって……
受付嬢時代に学んだ“やってはいけない叱り方”
受付嬢時代、私は一度上司にしかられたことがありました。
ある日、私の携帯電話に、仕事関係の着信がありました。歩きながら話しをし、静かなところに移動しようと会議室に入り、座ったという一連の行動を見ていた上司。会議室を管理する受付スタッフが、携帯電話で話すために会議室を使うのはいかがなものかというお叱りでした。
今思い出しても、自分が未熟だったと反省の念を抱きます。携帯電話で話をすることが業務上滅多にないので、誤解されないように人目につかないところがいいだろうと考えたのですが、私がその時にとった行動は受付スタッフとしては失格だと思います。
上司の指摘はもっともだと思いましたし、非常に反省しました。直接その場で口頭でも謝罪をし、メールでも反省の意を伝えました。
その日の仕事が終わる頃、上司から私に内線がありました。
「普通、内線でも謝罪するものではないか。待っていたのにかかってこない。本当に反省しているのか」といった内容でした。
未熟で、反省すべき行動をとってしまったのは私です。しかし、その内線を受けた時は、反省の念と同時に違和感を抱きました。
直接謝罪し、メールでも伝えた。私自身、反省し、落ち込みながらも必死に接客をしている中で、電話でも謝れと言われるのは普通なのか……。そのようなルールを周知されていたわけでもありません。
その時に感じたのは、私が本当に反省しているかどうかより、自分の怒りが収まらないから、私に内線でも謝罪を求めているのではないかということでした。今でも、この経験は私の中で色濃く記憶に残っています。
自分が反省したという記憶と、自分も叱る立場になったときには気をつけなければいけないという教訓があったからです。
この経験から私は、「しつこく怒らないこと」「引きずらないこと」「自分の気分を収めるために謝らせないこと」これら3つのことを守るようにしています。







