ただ、親の意向も反映させた形で情報を与えて、ある程度は誘導したほうがいいですね。子どもにすべてを委ねるのではなく、その情報の出し方は親がコントロールできるものですから。

　もし、情報の出し方が分からない場合は遠慮なく塾に相談してください。親の意向を反映した情報の出し方を教えたり、塾が親の代わりに子どもを誘導したりすることも可能です。

　確率的に第1志望校に行ける人はすべてではありません。現実的には、第2志望校、第3志望校に進学するお子様も多いです。お子様にはあまり強く志望順位を言わないほうがいいと思います。2番目、3番目の学校もいい学校だと伝え続けてください。

　ただ、親の心の中では優先順位を明確に決めておかないと2月2日、3日の夜が大変なことになります。予定通り進行してくれたら、一番いいのですが、「まさか」があるのが中学受験なので、その前提で心積もりをしておいてください。

――そうは言っても、子どもは文化祭で食べた焼きそばが美味しかったといった信じられない理由で志望校にしたりします（笑）。

　いや、でも子どもはそんなもんですよね（笑）。最近も、芝浦工大と巣鴨で迷った方がいて。親は巣鴨、子どもは芝浦工大附属だったんですが、子どもの理由が3Dプリンターとあの鉄道博物館（校内にある「しばうら鉄道工学ギャラリー」のこと）でしたから（笑）。

――それで言うと、以前、青学と攻玉社に合格して、どちらに行くべきかを迷っていらした保護者のご相談を受けたことがあります。1回目の記事で広野先生がおっしゃっていた「こだわりのない受験」をされたのだと思います。先生でしたら、どのようなアドバイスをなさいますか？

　青学と攻玉社の一番の違いは、大学の附属校か進学校かでしょう。大学附属校は比較的学費が高めの学校も多いです。青学は根強いファンが大勢いる学校ですが、附属校ですので授業数が少ないです。

　逆に攻玉社は授業料がそれほど高額ではなく、それでいて補習やら小テストやらノートチェックを目いっぱいやってくれるから学習面でのタイパとコスパという面ではいいですよね。