本当に優秀なコンサルは
「深夜残業」をせずに帰宅する

「コンサル業界で生き残る人」に共通する要素の2つ目は、「仕事のほかに打ち込める趣味がある」というものだ。

 筆者と面識のあるコンサル会社の経営者には、ホノルルマラソンやトライアスロンに出場している人や、絵や音楽の腕がプロ顔負けの人など、仕事以外でも一芸に秀でている人が多数いる。「仕事にしか興味がありません」という人はお見かけしない。

 世界的な経営コンサルタントである大前研一氏も著作の中で、サーフィンなど常に新しいことにチャレンジし、多趣味であることを明かしている。

 彼らはなぜ趣味に打ち込むのか。

 その最大の理由は、やはりハードな業務で蓄積したストレスを発散するためだ。クライアントからの期待を背負い、社内での売上・利益目標を追い続けるコンサルは、常に極めてストレスフルな環境に置かれている。

 だからこそ、仕事と余暇をうまく両立させ、ストレスを思いきり発散することが、長く活躍する上で重要になる。

 一方、「仕事が趣味」であり、四六時中仕事のことを考え、毎日午前3~4時まで働いているという人は、どこかで潰れてしまう。20代のときはそのガッツが評価されても、30代以降でガタがくるのだ。

 BCGでシニア・バイス・プレジデントを務めた後、独立系コンサルのドリームインキュベータを創業した古谷昇氏は、業界で“天才”と称される人物だ。その古谷氏は、著書『コンサル0年目の教科書』(PHP研究所) で、「本当に優秀な人は、最初からテキパキと仕事を片付けて早めに帰っている」と述べている。