最近、まったく新しいタイプのオンライン衣料店として話題になっている会社がある。「トランク・クラブ」というシカゴを拠点とするオンラインショップである。

 トランク・クラブは男性専用の紳士服ショップで、同社によると「買い物が嫌い、苦手、そのための時間がない」というタイプのショッパー(買い手)を「パーソナルに」サポートしてくれるということになっている。

「スーツ」と「部屋着」の中間で
何を着たらいいかわからない

 女性と違って、男性にはどんな服を買っていいのかわからない人が多い。日本の場合は、カジュアルフライデーや真夏の省エネルックなどが導入された際に、途端に着るものがわからなくなって困り果てた会社員が多かった。

 これはアメリカも同じだ。ことに苦手なのは、家でくつろぐ時に着るダラダラした部屋着と、出勤の際に着るスーツとの間にあるようなファッションだという。最近は、オフィスでも若々しくカジュアルで、それでいてビジネス着としても通用するような「難しいファッション」が主流になってきていることも、彼らの混乱を増している。この領域は何と言っても、生来のファッションセンスが試されるところだからだ。

日本企業も見習うべき“おもてなし”?<br />買い物嫌いをサポートする買い物サイトトランク・クラブに所属しているパーソナルスタイリストの一例

 そうした男性層に受け入れられているトランク・クラブの特徴は、言わばパーソナルショッパー、あるいはパーソナルスタイリストのしくみを取り入れたことである。自分のために買い物をしてくれるスタッフがいて、それも自分の好みやライフスタイルを理解して、それに合ったアイテムを選んでくれるのだ。

 トランク・クラブでは、買い物をする前にサイト上でいくつかの質問に応える。ファッションに対してどのくらい意識があるかという質問には、「わけがわからない」「まあまあ」「マニア」といった選択肢があって、それっぽい写真が各項目に付けられている。