工場用の間接資材をインターネット販売し、好業績を維持しているモノタロウ。ネジやボルトなど一見地味な商品を扱っているものの、営業利益率は年々改善し、今や10%を超えている。この度、登録者100万人を突破した理由について37歳の鈴木雅哉社長に聞いた。

MonotaRO代表執行役社長 鈴木雅哉 <br />右肩上がりで100万登録者突破 <br />間接資材を開拓した超ニッチECすずき・まさや/1975年生まれ。98年立教大学社会学部卒業後、住友商事入社。2000年MonotaROに出向、システムチーム課長。06年楽天をへて、07年MonotaROマーケティング部長、08年執行役マーケティング部長、12年より現職
Photo by Takeshi Kojima

――法人向けのニッチな市場を攻めて成功しています。まずは、そのビジネスモデルについて教えてください。

 われわれのターゲット層は、一般消費者というよりは製造業と自動車整備関連、そして工事業関連の方々です。

 工事をするには、原材料にあたる「主資材」とそれ以外の「間接資材」の調達が必要になります。当然、主資材の費用負担が間接資材よりも「8対2」の割合で多いのですが、明細表を占める項目を見ると、実は「2対8」と逆転するのです。

 それだけ工事には多種多様の間接資材を使っていうことを示しています。間接資材は、現場の状況によって、いつ何がどれくらい必要になるのかがわかりにくく、発注の計画を立てにくい特性もあります。

 こうした手間を省くために、2000年から間接資材に絞って、インターネットとカタログによる通信販売を行ってきました。

 従来の間接資材は、相対の取引のために大手と中小企業とでは価格差が生じていました。われわれは「営業部隊を持たない」などネット販売の強みを生かし、「ワンプライス」として価格の統一を実現しました。

 現在は300万点以上の品ぞろえを確保し、プライベートブランドも約33万種用意しています。自社で検索サービスも開発しており、さまざまな商品が廉価で見つかることがわかるはずです。

 利用者の9割が従業員100人以下の事業所というのも、このためです。