今ゲーム業界で最も熱いオンラインイベントがある。それがスマートフォン向けアプリ「パズル&ドラゴンズ」の「ゴッドフェス」だ。イベント開催中の24時間、普段は入手できない貴重なキャラクターが得られるとあって、ネット上では興奮が最高潮に達する。

 6月30日に開かれたゴッドフェスには、利用者が殺到し過ぎて障害が発生した。ツイッターではイベントに関するつぶやきがネット上を駆け巡り、検索大手ヤフーのリアルタイム検索ワードのトップに「パズドラ」や「ゴッドフェス」の文字が躍った。実際、月間検索数でも10位前後を維持しゲーム関連の用語としては最大だ。もはや日本中がパズドラ熱に浮かされているといっていい。

 今年6月29日には累計1600万ダウンロードを記録した。サービス開始から1年4ヵ月余りでたどり着き、スマホ利用者の3人に1人が遊んだ計算になるほどだ。驚異的なのは、月間利用者数が200万人を超えていることだ。通勤電車に乗れば必ず遊んでいる人が目に入るし、今年4月には東京ドームシティで「ファン感謝祭」が開かれ、親子連れなど2万5000人が集まるほどの盛況を博した。

ソーシャルゲームの
グリー、モバゲーから
アプリへと主役交代

 パズドラは、画面の下部分がランダムに積まれたカラフルな球から成るパズルになっており、スマホのタッチ操作を生かして指先で玉を動かし、同じ色の玉をそろえて消していくというもの。パズルを消した数で攻撃力が決まり、ドラゴンなどを倒していく。育てて集めて戦うというロールプレーイングゲーム(RPG)要素も取り入れ、利用者の心をつかんだ。

 パズドラ登場当時、主流ゲームは、従来型携帯端末のソーシャルゲームだった。専用アプリをダウンロードするゲームではなく、ウェブブラウザ上に製作されたもので、隙間時間にでき操作もボタンを押して進める単純なものだ。

 基本的に無料のため多くの利用者が集まる。仲間と協力してゲームを進めないといけないので徐々に抜けられなくなる。さらに強くなるには課金アイテムの購入が必要となり、そこに確率の要素を取り入れたため、ギャンブルのように射幸性が高い。一方、そのかいあって産業としてはゼロから4000億円市場にまで育った。