中古で600万円超えの
「超コンパクトカー」とは?

2002年発売の「ネットにつながるクルマ」も…生産終了後に評価された“惜しい”トヨタ車3選「iQ GRMNスーパーチャージャー」 画像提供:トヨタ自動車
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 これまでに紹介した2台とは毛色が異なりますが、「中古価格の上昇」という観点で、面白い存在なのが「iQ GRMNスーパーチャージャー」(2012年発売)です。

 このクルマは、コンパクトカー「iQ」のスポーツモデル。ベースとなるiQは全長×全幅×全高が2985mm×1680mm×1500mm、ホイールベースが2000mmと極めて小さく、小回りの利くクルマです。

 開発の経緯を振り返ると、独ダイムラー・ベンツがスイスの腕時計ブランド「スウォッチ」と組み、2人乗りのシティコミューター「スマート フォーツー」を1998年に発売。日本にも輸入され、「かわいい!」と話題になりました。

2002年発売の「ネットにつながるクルマ」も…生産終了後に評価された“惜しい”トヨタ車3選2007年の第40回「東京モーターショー」で、「iQ」のコンセプトカーを発表する渡辺捷昭社長(当時) Photo:SANKEI
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 このモデルに対抗するためにトヨタが開発したのが、2008年発売のiQでした。スマート フォーツーが2人乗りなのに対し、iQはパッケージングを工夫して乗車定員を4人とした点が、当時の自動車業界では驚きをもって受け止められました。

 その上、iQは単に小さいだけでなく運動性能が優れていたため、一部パーツを変更して強烈な加速感を味わえるようにしたスポーツモデルも用意されました。その中の一つが、先ほど述べたiQ GRMNスーパーチャージャーです。

2002年発売の「ネットにつながるクルマ」も…生産終了後に評価された“惜しい”トヨタ車3選iQのスポーティーグレード「130G MT」。こちらもマニアに愛された 画像提供:トヨタ自動車
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「100台限定」で発売された同モデルは、iQのエンジンにスーパーチャージャー(機械式過給機)を搭載することで、エンジンの最高出力・最大トルクを30%以上アップ。6速マニュアルトランスミッションも備えており、「小さくて速い」独自の走行性能が魅力でした。

  このモデルはコアなファンに支持され、100台分の注文があっという間に集まったそうですが、一般層にはほとんど知られませんでした。

 そもそも一般層にとっては、ベースとなる通常モデルのiQすら選ぶメリットがあまりなく、「減税措置もあるし、街乗りなら軽自動車で十分」と考える人も多かったようです。

 街でiQを見かけた時期もありましたが、広く定着するには至らず、結局は2016年に生産終了。後継モデルも登場せず「一代限り」となりました。

 しかしその後、クルマ好きの間では、iQ GRMNスーパーチャージャーの「小さなボディに高性能エンジンを搭載する」という珍しいコンセプトが改めて評価され、その人気はさらに高まりました。

 100台限定という希少性も相まって、中古車価格も継続的に上昇。現在は定価(355万円)を上回る価格で取引されるケースも珍しくなく、中には600万円を超えるプレミア価格が付く個体も見受けられます。

  iQ GRMNスーパーチャージャーは必ずしも最初から不人気だったわけではありませんが、その個性的なコンセプトと希少性によって、価値が「後伸び」したモデルの代表例と言えるでしょう。