さっきまで普通に話していたかと思えば、次の瞬間には完全に意識を失っている。麻酔をかけられている間、実際には何が起きているのだろうか。麻酔は「深い眠りに就かせるもの」と一般的に考えられている。しかし新たな研究によると、実際には、これまで考えられていたよりも昏睡(こんすい)状態に近い可能性があるという。また、毎日何千人もの患者が全身麻酔を受けているにもかかわらず、麻酔薬が脳にどのように作用するかについては、まだ多くのことが解明されていない。最近のある研究では、鎮静状態にある患者の頭皮に電極を装着して脳波データを収集し、そのパターンを、覚醒中・睡眠中・昏睡状態にある患者のデータと比較した。その結果、麻酔をかけられた患者の脳は、昏睡による意識不明状態と類似した活動を示しただけでなく、深い睡眠やレム睡眠、そして麻酔時に特有のパターンとも似た活動を示したことが明らかになった。