ベトナム 2013年8月28日

日本人高校がないベトナムでは、
子どもの小学校選びが、家族全員の人生設計を左右する

どの選択肢をとっても「高額の学費」という壁が

 小中学校時代から家庭教師をつけるなどして、英語をしっかり勉強させて、高校からはインターナショナルスクールに通わせるという方法もある。実際、私の周りでその方法を採った人もいるが、中学卒業まで英語で教育を受けていた子どもたちに合わせて授業が進められるインターナショナルスクールに入ると、授業について行けない場合が多いそうだ。それを見越して、小学生のときからインターナショナルスクールに通わせている日本人夫婦の友人もいる。

インターナショナルスクール。中心部を少し外れた2区にある。周辺は高級住宅街だ。朝にはお抱え運転手が運転する高級車に乗って通学してくる子どもたちの姿が見られる【撮影/中安昭人】

 しかし我が家の場合、妻がベトナム人なので、娘には日本語とベトナム語を身につけてもらいたい。それだけでも大変なのに、英語までとなると負担が大き過ぎる。私は今までいわゆる「帰国子女」を採用したことが何度かある。母国語をしっかり身につける前に外国に留学したために、言葉以前の「論理的思考」が弱く、日本語でも英語でも、言いたいことが言えない、という人を何度も見てきた。娘にはそんな風になって欲しくない。そういう理由からも、インターナショナルスクールに通わせるという選択肢は、とらなかった。

 さらにインターナショナルスクールも、全般的に学費が高い。学校によってかなり差はあるが、しっかりした学校だと年額100万円を超える。やはり現地採用の人間にとっては辛い金額だ。

 そもそも、日本人幼稚園や日本人小・中学校の学費も、現地の物価水準からするとかなり高額である。娘が通っていたともだち幼稚園は月謝が350ドル(約3万5000円)、これに加えてスクールバス代が85ドル(約8500円)で、月額435ドル(約4万3500円)かかっていた。幼稚園では1クラス10名程度の子どもに対し、先生が3人ついてくださるという、とても恵まれた環境だったので、それを考えるとこの月謝は決して高くない。むしろ「これでよく経営が成り立つなあ」と思う金額なのだが、それでも払う側からすればやはり高い。現在通っているホーチミン日本人学校はもう少し高く、学費が400ドル(約4万円)、スクールバス代が130ドル(約1万3000円)なので、月額最低530ドル(約5万3000円)かかる。

 我々の場合、共働きで、ベトナム人の妻も外資系企業で管理職をしており、ベトナムの相場からすると高い収入を得ているから、何とかなっているが、私の収入だけでは日本人学校に通わせるのは難しい。我々でも2人目の子どもができたら、日本人学校に通わせるのは、まず無理だろう。


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