アルカイダ発言で揺れるマスコミから痛烈な批判を浴び続けているのが、鳩山邦夫法務大臣である。

 「私の友人の友人がアルカイダなんです」

 「その男はバリ島の中心部の爆破事件に絡んでいたようで、今は別の島に逃げています」

 「2年くらいの月日が経って、その過激派の男が事件後に2回も、3回も日本に来ていたようです」

 「いまも、テロリストは日本国内をうろうろしています」

 「私は、ちゃんとこうした危機を伝えました。防衛、警察、法務などの役所の担当者に伝えたんですが、みな動かなかったんです」

 確かにこうした発言だけを聞いていると、マスコミによる辛らつな批判も当然のように思えてくる。案の定、マスコミは社説等で法相批判を展開し、中には「閣僚失格」という烙印を押すところまで出始める。

〈鳩山法相 軽率すぎて話にならぬ〉(朝日新聞/2007年10月31日)
〈資質問われる失言連発の法相〉(日本経済新聞/2007年11月4日)

 しかし、そうした批判報道が続いても、なお鳩山法相は発言を止めない。ついには、首相官邸からも「謝罪文」の提出を求められ、町村信孝官房長官は、鳩山法相に対して、「経過報告書」を書くように命じた。

 内閣の〈問題児〉となった感のある鳩山法相だが、それでも発言を止めない。あらゆる機会に、「私は、事実を言っているに過ぎない」と繰り返しているのだ。

 「少しおかしくなったのではないか……」

 記者たちの何人かは、元秘書である筆者にこう語り、ワイドショーのコメンテーターらも同様のコメントを出している。