「5月に売って、10月買い戻し」
のアノマリーは

 米国の株式市場を中心としたアノマリーとして、「10月効果」がある。米株は10月に安値を付けやすいとされ、1987年10月に生じたブラックマンデーなどの事例も多い。

 同様に指摘されるのは、「5月に売って、10月買い戻し」である。場合によっては、「9月に買い戻す」とされることもあるが、おおむね春に株式市場は高値をつけ、その局面で株式を売っておき、その後秋に底値になったタイミングで買い戻すというパターンである。

 実際に、過去長年にわたる実証分析でもこうしたアノマリーが相応に良いパフォーマンスを獲得しているとされる。こうした動きは、「グリーンシュート」(春の芽吹き)とされる気候面による人間のバイオリスムが春の株高をもたらし、秋には木の葉が落ちるなかでの動きが株価下落をもたらすとされ、なんとなく皆も納得しやすい。

 また、米国では多くの投資信託が10月に決算を迎えることから、税制面でもこうしたアノマリーが生じやすいとされる。加えて、2007年以降の金融危機に伴う構造転換のなか、季節調整がうまくかからずに、年初春までの景気が上方に振れやすくなったことによるアノマリーが生じたとされることも多かった。

みずほ総合研究所の
CSIのアノマリーに注目

 足元、今年10月の米国の金融市場は、米国の財政問題への不透明感からリスクオフの状態に向かい、株式市場の下落、長期金利低下、為替市場でのドル安の動きが生じた。加えて、このところの米国経済指標は思わしくないものも多い。