<パソコンを持っていると、無業期間が長期化する傾向にある><携帯を持っていると無業期間は短期化する傾向にある>――そんな若年無業者の現実を調べて分析した、民間の手による『若年無業者白書 その実態と社会経済構造分析』が、このほど刊行された。

 制作したのは、長年、若年就労支援活動を続けるNPO『育て上げネット』(工藤啓理事長、東京都立川市)。このような若年無業者の実態について、民間が自ら調査して白書をつくるのは初めての試みだ。

「求職型」「非求職型」「非希望型」
“無業状態”の若者を3つに分類

 対象者は、同団体が東京都、神奈川県、埼玉県、大阪府の都市で実施している国の「地域若者サポートステーション」や、自治体の合宿事業などの約30事業の利用者で、2012年1月から2013年6月までの間に訪れた、15歳から39歳までの2333人(そのうち約2200人分を利用)。つまり、厳密な意味での「引きこもり」状態にある人とは違い、あくまでも就労支援機関を訪れた人たちのデータだ。

 調査方法は、こうした事業の利用者に、調査票の記入と個別の面談で得られた言葉を書き起こす形で実施。データスクリーニングの末、約2200人分を利用した。

 ちなみに、内閣府によると、15~34歳の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない若年無業者は63万人。対象人口に占める割合は緩やかに上昇し続け、2012年度は2.3%としている。

 白書では、調査にあたって、若年無業者を<高校や大学に通学しておらず、独身であり、ふだん収入となる仕事をしていない15~39歳までの個人>と定義した。

 また、就業希望があって求職活動をしている「求職型」(=失業者)、仕事がしたいと表明しているものの求職活動を起こせていない「非求職型」、就業希望を表明していないものの支援機関に足を向けた(おぼろげな意欲のある)「非希望型」の3つに分類。従来の「ニート」の言説とは一線を置いたうえで、39歳以下の若者の状況に応じて、新たに類型化したことが大きなポイントだ。