戦国時代になると、栗を皮ごと天日干しにして臼で搗《か》ち割り、鬼皮と渋皮を排除した「搗ち栗」が、兵糧として用いられるようになりました。

栗の炊き合わせ
【材料】むき栗…100g/人参…1本/鶏肉…100g/出汁…200ml(1カップ)/酒…大さじ1/みりん…大さじ1/醤油…小さじ2/塩…小さじ1/3
【作り方】①人参は皮をむいて乱切りにし、鶏肉は一口大に切る。②鍋に出汁を沸かし、①とむき栗、酒、みりんを入れて中火で15分程度煮る。③②に塩と醤油を加え、汁気がなくなったら火を止める。

「搗ち栗」は「勝ち栗」に通じることもあって、打ち鮑と昆布と共に、戦の前の出陣式、および戦勝を祝う凱旋式には欠かせない食べ物でした。

 これは『三献の儀』と言って、三宝に乗せられたこれら三種のうち、まずは打ち鮑を口に入れて盃の酒を三度に分けて飲み干し、次に勝ち栗を口に入れて同様に酒を飲み、最後に昆布を口に入れて酒を飲みます。

 「敵に打ち、勝ち、喜ぶ」というわけです。

 三杯目の酒を飲み干すと、盃を振りかぶって庭に叩きつけて割り、軍扇を広げて「エイエイ!」と声を上げると、一同が「オー!」と勝鬨《かちどき》の声を上げました。

栗おこわ
【材料】むき栗‥‥12個程度/金時豆…30g/砂糖…大さじ3/塩…小さじ1/4/醤油…小さじ1/2/餅米‥‥2合/酒‥‥大さじ1/みりん‥‥小さじ1/塩‥‥小さじ1/2/出汁昆布‥‥7cm幅/胡麻塩‥‥適量
【作り方】①金時豆はよく洗い、たっぷりの水を入れて弱火で茹でる。豆が浮き上がってきたら一旦ザルにあけ、再びひたひたの水で茹で、豆が柔らかくなったら砂糖、塩、醤油を加えて汁気がなくなるまで煮る。②餅米を洗ってザルに上げ、30分程度置く。③炊飯器に①と②と酒、みりん、塩、適量より少し少なめの水、出汁昆布、むき栗を入れて炊く。胡麻塩を添えて。

 凱旋時は、食べる順番と意味が変わります。

 一に勝ち栗、二に打ち鮑、三に昆布となり、その意味は「敵に勝って、家に帰って、喜ぶ」になります。