前回前々回に続き、今回も「NYTの検索ページ」の有効な使い方を紹介しよう。

 下の【表1】は、「縦に並んだ各項目」と「横に並んでいる各項目」との「and検索」で得られるニューヨーク・タイムズの記事数(1981年以降[2008年6月12日時点])を示す。

 この作業の目的は、アメリカ人の gift(贈り物)に関する行動を明らかにすることである(※注1)。「贈り物」の際には、自分で使う場合に比べて、質への関心が高くなっていると考えられる。質がよければ、価格が多少高くても容認する場合が多いと思われる。したがって、「人々が、いつ、誰に、何を贈っているか」を明らかにすることは、どんなビジネスにおいても重要だ。それは、新しいビジネスモデルの構築にも重要なヒントを与えるだろう。

【表1】各項目との and検索で得られるNYTの記事数(1981~2008年6月12日時点)
【表1】各項目との and検索で得られるNYTの記事数(1981~2008年6月12日時点)

 この表でつぎのことが観察される。

(1)gift との and検索でヒットする記事数は、クリスマス(christmas)の場合が圧倒的に多い。それに続いて、誕生日(birthday)、結婚式(wedding)などがある。この結果から、アメリカ人が贈り物をするのは、クリスマスのときが圧倒的に多いと推測される。誕生日や結婚式の際は、その半分程度だ。

(2)家族間の贈り物、とくに親から子への贈り物が多いようだ。どの項目においても、children は girl friend より遥かに多い。つまり、「贈り物」は社交の道具というよりは、家族内の結びつきを強めるためのものと言える。

(3)card の数字よりは、gift の数字のほうがかなり多い。つまり、カードを送るよりは、モノを送る場合が多いように思われる。