ベトナム 2013年12月24日

バイク乗りの天敵・交通警察官との闘い・後編【ベトナム・ホーチミン市のトンデモ交通事情・その4】

言われた罰金は、1カ月分の給料に相当する額

 「バイクの車輛証を提示しなさい」
 私の乗っているバイクは、妻の弟が買ったものである。それを見せると、警官はまず、
「これはお前のバイクじゃない」
 と文句をつけてきた。

 妻の弟のものであることを説明すると、次に
「免許証を見せなさい」
 と聞いて来た。

 「日本の免許証しかありません」
 これは完全に私に非がある。外国人でもベトナムで免許証の取得は可能だ。しかし面倒がって、取っていなかったのだ。

「バイクは没収。30日間は警察で預かる」
 そう宣言して、警察官は調書のようなものを取り出した。

「それは困るんですけど、何とかなりませんか?」
 警察官が、バイクを没収する気がないのは、重々承知だが、精一杯しおらしい態度でお願いを立てた。

「う〜ん、だったらここで罰金を払えば、許してやってもいい」
 予想通りの答。
「お幾らですか?」
 と聞くと、警察官は、少し考えてから、
「100万ドン(当時の通貨レートで約4000円)だ」
 と言ってきた。

 この「事件」の直前、2011年1月1日から新しい最低賃金規定が施行されたばかりで、それによるとホーチミン市の国内企業の最低賃金は1カ月135万ドン(約5400円)。それを考えると、100万ドンがいかに大金であるか、お分かりいただけるだろう。1カ月の給料に近い額なのである。ちなみに、これ以前の最低賃金は98万ドン(約4000円)だった。

「100万ドンなんて、持っていないですよ」
 と、私は手持ちのお金を警察官に見せた。いつもポケットに入れているマネークリップのほうである。そこには24万ドン(約960円)ほどあった。

バイク乗りがお世話になるもの・その2:これはバイク修理屋さんのサイン。もちろんちゃんと店舗を構えているところもあるが、路上に修理道具を並べて営業している人も多い。町中でバイクが故障しても、こういう路上修理屋さんがたくさんあるので、困らない【撮影/中安昭人】

海外投資必勝マニュアル&本

海外投資のノウハウが凝縮! ここで紹介しているコンテンツ、書籍はすべて、ネットから購入が可能です。さらに「海外投資実践マニュアル」は「海外投資を楽しむ会」の会員になれば割引価格で購入可能です。

作家・橘玲のディープなメルマガ
発売即重版決定! 橘玲の最新刊【幸福の「資本」論】発売!
橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
橘玲×ZAiONLINE海外投資の歩き方
作家・橘玲がメルマガ配信を開始!
subcolumn下影

ページのトップに戻る

本WEBサイトに掲載している全ての記事およびデータについて、その情報源の正確性・確実性・適時性を保証したものではありません。本サイトの提供情報を利用することで被った被害について、当社および情報提供元は一切の責任を負いませ ん。万一、本サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社および情報提供元は一切責任を負いません。本サイトからアクセス可能な、第三者が運営するサイトのアドレスおよび掲載内容の正確性についても保証するものではなく、このような第三者サイトの利用による損害について、当社は一切責任を負いません。また、併せて下段の「プライバシーポリシー・著作権」もご確認ください。