この冬、あなたのボーナスは増えただろうか、それとも変わらなかっただろうか。もしかして、「減った」という人も? 今年前半には、「冬のボーナス頃からアベノミクスの効果が出て、収入が増えるはず」と報じられ、期待した人も多かっただろう。我々が期待した「賃金アップ」は、この冬の賞与・一時金で本当に実現されただろうか。そして来年、我々の賃金は上がるのだろうか。独自調査を交えながら、徹底リサーチしよう。(取材・文/プレスラボ)

アベノミクスの「真価」やいかに
この冬あなたのボーナスは増えた?

 この冬、あなたのボーナスは増えただろうか、それとも変わらなかっただろうか。もしかして、「減った」という人も?

 流行語大賞候補にも選ばれた安倍首相の経済政策「アベノミクス」。激戦と言われる今年の流行語のなかで、惜しくも「じぇじぇじぇ」「お・も・て・な・し」「倍返し」「今でしょ!」に大賞を譲ったが、大人から子どもまで広く認知された言葉であることは間違いない。

 景気が回復するためには、多くの人が「景気が良くなるのでは」という期待を抱くことが大切な一歩。今年上半期から「アベノミクス」という、久々に好景気を感じさせる言葉が世間に広まったことは、昨年末に悲願の政権奪還を果たした自民党と安倍内閣にとって、悪くない走り出しだった。今年前半には、「冬のボーナス頃からアベノミクスの効果が出て、収入が増えるはず」と報じられ、期待した人も多かっただろう。

 そこで気になるのが、「アベノミクス・フィーバー」たけなわの今年前半に我々が期待した「賃金アップ」が、この冬の賞与・一時金でどれだけ実現されたかである。今回は、それを徹底リサーチしてみよう。

 まず、経済団体やリサーチ会社の調査を観ると、アベノミクスの賃金への波及効果は、おおむね着実に表れ始めているように見える。

 経団連が11月に発表した大手240社を対象にした調査によれば(12月末に最終集計を発表)、2013年年末の賞与・一時金の平均妥結額は82万2121円。5.79%増の伸びとなった。前年比プラスの業種は自動車やセメントなど7業種で、逆にマイナスとなったのは紙・パルプや造船など6業種だった。