アベノミクス相場は「後半」がある
筆者が記者に答えた予想の中身

 予想というものは、まことに難しいものだ。だが、現状についてどう思っているかを表すに当たって、予想を言ってみることが手っ取り早いことがある。まず、筆者の相場予想を言ってみよう。「どうせ当たらない!」と思いながら読んでほしい。

 たまたま、先ほど某雑誌の記者さんからかかって来た来年の予想を問う電話に、筆者はあらまし次のように答えた。

「日経平均の高値は1万9500円で時期は11月としておきましょう。金融緩和から始まった同類の相場として1980年代後半のバブル相場を思い出しますが、あの相場に当てはめると、現状は1988年の前半くらい。前年のブラックマンデーから回復したあたりです。1万5000円から3割上昇で1万9500円としておきます。

 4月の消費税率引き上げの悪影響が心配ですが、夏にかけて調整したとしても、金融緩和に加えて財政的にも後押しをして、何としても消費税率の10%への引き上げを決めようとするでしょう。官僚が目指しているのは、財政の再建ではなくて、税源の拡大なので、大盤振る舞いに躊躇はないと読みます。

 為替レートですか? 株価を上げるために円安が必要ですし、リーマンショック前の水準から見て、120円手前までの円安は問題ないでしょう。115円にしておこうかな。時期は、株価と揃えて11月にしておきます」

 くどいようだが、筆者も前述の自分の予想が「当たる」とは思っていない。確かな根拠などないことを、しゃべっている本人も実感している、実質は、予想の形で現状認識を述べているに過ぎない。

 ところで、予想の癖という観点では、筆者はバブルから「降りる」のが少し早い傾向がある。理屈好きだし、警鐘を鳴らしてみるのが好きなのだ。そのような性格の筆者ではあるのだが、現時点では、アベノミクス相場が終わるとは思っていない。少なくとも「後半戦」があると思っている。