新興国投資 2013年12月25日

東アフリカの経済ハブを目指す国
ケニアの首都ナイロビで
日本人初の証券口座を開設してきた
[木村昭二のどんと来い! フロンティア投資]

ケニアはここ。薄いピンクはケニアと共に「東アフリカ共同体(EAC)」に加盟する(北から)ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、タンザニア。各国の国土・人口・経済規模は大きくないが、一つの市場として捉えると存在感が出てくる。(地図は「Google地図」を基にザイ・オンライン編集部が作成)

 

 東アフリカ共同体の加盟国は人口も経済規模も大きくありませんが、5カ国を一つの市場として見た場合、人口は1億4862万人となり、世界第8位・バングラデシュの1億5427万人の次になります(日本は1億2761万人で第10位)。しかも、一人当たりの名目GDPでは5カ国が束になっても3154.48ドルに止まり、185位中120位のバヌアツを辛うじて上回る程度。これをフロンティアといわずして何としましょう!

ケニアの株式市場は直近1年で2倍近くに
「成長はまだまだこんなものではない!」

 5カ国の中で最も経済的に進んでおり、証券市場が発達しているのがケニアです。ナイロビ証券取引所は1920年代(イギリス植民地時代)の相対取引場を前身とし、1954年に証券会社を介した近代取引所としてスタートしています。

 現在の市場時価総額は145億ドル(日本の1/263)しかありませんが、直近1年で2倍に値上がりしています。それでも現地の証券関係者は「こんな値上がりは単なる戻り相場。我々の“成長”はこんなものじゃないよ」と意気揚々としています。

 さらに楽しみなのは2004年にナイロビに開設された「東アフリカ証券取引所連合(EASEA)」で、当地のナイロビ証券取引所のほか、ウガンダ証券取引所、ルワンダ証券取引所、ダルエスサラーム証券取引所(タンザニア)の4カ国の取引所が加盟しています。

ナイロビ証券取引所の新しい自社ビル。ウガンダ証券取引所、ルワンダ証券取引所、ダルエスサラーム証券取引所との東アフリカ証券取引所連合(EASEA)のオフィスもここに入っている。 (Photo:©木村昭二)

 この4取引所は今年7月25日に「域内保管移動メカニズム(IDT)」を採用し、段階的に重複上場や重複IPOができる体勢を整えようとしています。例えば現在はウガンダの電力配電会社「ウメメ」がナイロビ証券取引所に上場し、ケニアシリング建てで売買ができるようになっています。

 つまり、ケニアの証券会社に口座開設しておけば、将来的に「東アフリカ証券取引所連合」加盟4カ国に上場している証券が、ケニアシリング建てで取引できるようになる可能性があります。また、今年6月にはREITの法令が制定され、今後はREITの上場やデリバティブ市場の創設が期待されます。

 資料を見るかぎり、60年の歴史があるだけに証券取引に関する法律などはきちんと整備されているようです。旧イギリス植民地だけに資料は全て英語で書かれており、様式もしっかりしています。が、やはり現地を見なければ、わからないこともあるというもの。というわけで、今回はケニアの首都ナイロビに出かけることにしました。

歩くための某有名ガイドブックには
「ナイロビは歩くな!」と書いてある!?

 とはいえ、行き先は日本から遠いアフリカ大陸です。思い立ったら明日にでも、というわけにはいきません。ビザこそケニア大使館で申請翌日には発行してもらえますが、ほかにも黄熱病の予防接種(効き出すまでに要10日間、検疫所まで出向く必要がある)や現地治安状況の確認、証券会社や取引所のアポ取り、ドライバーの手配などやることがいろいろあります。

 特に心配したのは治安でした。ナイロビはナイジェリアのラゴス、南アフリカのヨハネスブルグとともに「治安の悪い世界三大都市」として語る旅行者も多い都市です。この9月にはナイロビの高級ショッピングモールでテロがあり、60人以上が死亡、240人以上が負傷するという惨事が起こったばかりです。在ケニア日本大使館からは「注意喚起」が出ており、日本人が比較的安全と言われている外国人居住区で、バイクによる路上強盗事件に遭ったことが報告されていました。また、世界旅行者のバイブルとされている歩くための某有名ガイドブックも、本の題名に反して「ナイロビは歩かないで!」と書いてあります。


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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