主要ポストで続々交代

 年間売上高約8兆円のパナソニックは、合計49の事業部がある。中でも「車載電池」「小型二次電池」「光ピックアップ」の三つの事業部は、旧三洋が高い競争力を持っていたビジネスとして、組織の正式名称では「三洋電機」という冠が付記されている。

 そのため、ビジネスのかじ取りをする事業部長ポストも、暗黙の了解で三洋出身者が占めてきた。

 ところが今年5月1日付人事では、海外自動車メーカーとのビジネス経験が豊富な池内弘・車載電池事業部長が、現場を大きく離れる企画センターに異動。その右腕に当たる企画担当の部長職と合わせて、双方ともパナソニック出身者に入れ替わった。

 加えて、来年1月の人事で小型二次電池の中堀真介・事業部長も短期間で異動となり、パナソニック出身者に交代する。

 残る光ピックアップ事業は事業縮小が確定的で、足元好調な太陽電池を除けば、いよいよ三洋出身幹部が仕切るビジネスはなくなる。

 業績面を見れば、昨年度は韓国勢を前に大きな赤字に沈んだ小型二次電池や、なかなか立ち上がらない車載電池の立て直しの一環として、より柔軟な人事交流を図ったと理解することもできる。

 しかし、現場の技術やビジネスに精通する幹部がことごとく主要ポストからはずれる事態に「中長期的には事業の弱体化を招くのでは」という懸念が上がっている。

 三洋買収に巨費を注いだ結果が、人材流出となればやるせない。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 後藤直義)

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