グロービス・マネジメント・スクールで教鞭をとる林恭子氏が映画を切り口に、組織論の様々なテーマやフレームワークを紹介する連載。第1回は、不朽の名作「ショーシャンクの空に」を題材にして、会社や組織との向き合い方について考察する。

誰もが当事者である
人と組織のマネジメント

ショーシャンクの空に-個人の組織社会化を考える
不朽の名作「ショーシャンクの空に」

 皆さん、こんにちは。林恭子です。

 私は、現在、グロービス・マネジメント・スクールにて、組織と人材のマネジメントやリーダーシップについて、研究や講義を担当しています。

 このコラムでは、私の好きな映画を参照しながら、企業における人や組織のマネジメントについて考えてみたいと思います。

 「いやあ、僕はあんまり組織のマネジメントとかリーダーなんて考えたことないんだよね。それって、立場が上の人にしか関係ないことじゃない」ですとか、「自分は人事部の人間じゃないから、人材マネジメントのことって苦手そうだな」などと、ご心配することはありません。

 なぜって、皆さん。自覚があってもなくても、今パソコンを開いているこの瞬間も、会社の組織の中にいて、毎日人事制度を利用していますよね。そして、誰しもがリーダーであるか、フォロワーであるか、あるいはその両方の役割を担っているのです。人や組織の領域ほど、どんな方にも深く関係し、また、どんな方でも当事者であるところはありません。

 また、このコラムでは、頭痛や肩凝りがするような、難解な話はしません(というか、私ができないかも知れません。笑)。ですので、気軽に、コーヒーでも片手にお読み頂ければと思います。そして、気になったら週末にレンタル屋に出向いて、映画を見ながら、組織と人材のマネジメント、リーダーシップについて思いを馳せてみて下さい。

 早いもので、今年ももう3月になりました。学校を卒業された新人が間もなく入社する季節です。年度末を待って、4月から転職なさる方もおいででしょう。また、この時期に人事が正式に発表になり、4月から新しい部署に異動したり、出向したり。新しい環境に挑戦する方が、1年で最も多い季節です。それは、新しい組織との出会いの季節でもあります。

 今回は、そんな新しい組織に飛び込むビジネスパーソンに是非見てほしい一本「ショーシャンクの空に」を題材に、個人と組織の関係について、考えてみましょう。