橘玲の世界投資見聞録 2014年1月9日

年頭に当たって考えた2014年の注目ポイント
金利上昇、ユーロ統合、中国のバブル崩壊…
[橘玲の世界投資見聞録]

“人類史上最大”の中国不動産バブルはそろそろ終焉?

 中国は2012年11月に習近平政権が発足したものの、経済の減速が明らかになって、不動産バブル崩壊が危惧されている。昨年6月には短期金利が13%台まで跳ね上がり、「影の銀行(シャドーバンキング)」に世界の注目が集まったが、それでも7.5%程度の経済成長を維持できた模様だ(昨年末にもふたたび短期金利が急上昇した)。

 中国の地方政府が高金利で集めた資金を不動産開発に投入して債務を膨張させていることや、「鬼城」と呼ばれるゴーストタウンが全国各地にできていることはすでに周知の事実だ。専門家のなかには、「不動産価格はたしかに高いが、無理をしてでもマイホームを買いたい潜在顧客が何億人もいるのだから、経済成長と所得の増大によってじゅうぶん吸収可能だ」というひともいるが、現在の綱渡りをはたしていつまで続けられるのだろうか。たしかに私たちは、ひとつの省がひとつの国家に匹敵する中国の巨大さを正しく把握できていないのかもしれないが、それにしても中国の不動産市場は異常だ。

[参考記事]
●中国の地方都市・合肥で起きている不動産バブルの実態
●中国・海南島、「中国のハワイ」に忍び寄るリゾートバブルの終焉
●中国・成都に見る、異常な不動産バブル発生のメカニズム

 

 “人類史上最大”ともいわれる中国の不動産バブルについてはこれまで何回か書いたが、私たちはこの壮大な物語の結末をそろそろ目にすることになるのではなかろうか。

悲観しすぎす、かといって楽観的になりすぎず…


 昨年は投資家にとって幸福な年だったが、長期的に見れば実は株価はそれほど上がっていない。

 米国株は1980年から2000年までの20年間で10倍以上になったが、その後は13年かけて1.6倍にしか上がらなかった。年利回りで3.7%で、その間にリーマンショックがあったことを考えると、株式は損はしないまでもけっして割のいい投資とはいえない。

 その一方で、リーマンショックの直後には「グローバル資本主義は終わった」と叫ぶひとがたくさんいたことを思えば、それがたった5年で回復したのだから市場は強靭だったともいえる。

 未来をいたずらに悲観することはないが、だからといって楽観的でいることもできない。そんな日々がこれからもしばらく続くのではないだろうか。

 

 <執筆・ 橘 玲(たちばな あきら)>

 作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編』『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券編』(以上ダイヤモンド社)などがある。ザイ・オンラインとの共同サイト『橘玲の海外投資の歩き方』にて、お金、投資についての考え方を連載中。

 
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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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