蒲鉾の原材料として最高とされたのは、鱧・甘鯛・鰈・鯛の4つで、天明五年(1785年)刊行の『万宝料理秘密箱《まんぽうりょうりひみつばこ》』というレシピ本に、「この類に過ぎたるはなし」と書かれています。

 現在一般に販売されている蒲鉾のほとんどは、海外で獲れた魚をすり身にして、冷凍で日本に運ばれて来たものを加工しています。

紫蘇蒲鉾
【材料】蒲鉾…3㎜幅×3枚/紫蘇の葉…3枚/梅干し…1個
【作り方】①紫蘇の葉を縦半分に切り、蒲鉾に巻きつける。②①を皿に並べ、叩いた梅干しを添える。

 万宝料理秘密箱に書かれた高級魚による蒲鉾とどう違うか、食べ比べてみたいものです。

 作られていた蒲鉾の種類も豊富で、紫蘇や胡麻、昆布など、現在のさつま揚げのような感じで、様々な具材入りの蒲鉾が作られていました。

 今のような、板付きの白い蒸し蒲鉾が作られるようになったのは、江戸時代の後期のことです。

削り蒲鉾
【材料】蒲鉾…1/2本
【作り方】①蒲鉾を板から切り外し、ラップに包んで冷凍する。半冷凍できたところで、スライサーでスライスし、ザルに広げて半日程度陰干しする。

 江戸ではこのシンプルな白い蒲鉾が好まれましたが、関西では元の名残か、蒸した後に表面を焼いて焦げ目をつけた焼き蒲鉾が好まれました。

 この好みの違いは現在も変わっていないように思うのですが、いかがでしょう?