読者の皆様、あけましておめでとうございます。新しい一年が実り多き時間になりますように、お祈り申し上げます。

 中国は“民主化”への道を歩むのか?どういう“民主化”になるのか?想定しうるシナリオは?ロードマップは?リスクは?限界は?障害物は? ……。

 本年度も『中国民主化研究』を通じて、中国の“民主化”に纏わる政治動向を経済、社会、外交、軍事、国民性などあらゆる分野から定点観測し、微力ではありますが、私なりにエッセンスを探求し、完成版の見えないパズルを埋めるべく、一筆闘魂の精神で取り組んでいく所存です。

 どうか皆様からの忌憚のないご意見、ご批判、ご指導をよろしくお願いいたします。

引き続き高度に重視される
“反腐敗闘争”

 2013年12月30日、中央政治局は定例会議(以下《会議》)を開いた。2013年最後の政治局会議である。共産党最高意思決定機関における話し合いは、中国の行方を左右するか、少なくとも影響を与えるだけに、そのアジェンダ設定は注視していく必要がある。司会進行を務めたのは、例によって習近平共産党総書記・中華人民共和国国家主席・軍事委員会主席である。

 本稿では、《会議》の焦点となった二つのポイントをレビューしつつ、2014年の中国政治動向を占う幕開けとしたい。

 まず一点目は、習近平氏が国家リーダーになってからというもの、政治的に高度に重視され、党指導部の政策のなかでも高プライオリティーで掲げられている“反腐敗闘争”である。

 《会議》では、“反腐敗闘争”というミッションがどれだけ重要で、共産党がどれだけ力を入れているか、また引き続き高度に重視していく旨が強調された。

「2013年、党が党を厳格に管理し、党のイメージを清潔にすること、反腐敗闘争を全体的にデザインすること、系統的に計画し、監督を追い付かせることを自らの行動もって示してきた。そして、一定の成果を挙げた」

 《会議》は2013年の“闘争”をこう振り返った上で、現状認識を以下のように提起した。