「首都ジャカルタでも電車やバスといった公共交通機関は発展途上で、一部の交通機関以外は危険もあります。路線バスの数は多いですが、政府運営のバス以外は路線図も体系化されておらず、インドネシア人ですら行き先を尋ねながらでないと、目的地までたどり着けない事もあるという現状があります」(中里さん)

 一方、インドネシアといえば、日本人として気になるのがイスラム教の文化です。インドネシアでは、国民の約9割がイスラム教徒といわれており、その文化の違いは無視できないものがあります。

 そんなイスラム教徒の国ならではのギャップを話してくれたのが、リアルワールドアジアCEOの村松龍仁さんです。

「1日5回のお祈りの時間、1年に1回の長期間の断食(ラマダン)、食事(豚肉はご法度)、アルコールが飲めないなど、特に無宗教の人も多い日本人からするとギャップが大きいことばかりで、仕事の生産性や労働時間への影響も否めないと感じました。

 日本ではお酒が入れば自然と盛り上がる会社の飲み会も、インドネシアでは一滴も飲まないメンバーが多く、日本人1人で飲むと申し訳ない気持ちになることも。そんななかで盛り上げようとするプレッシャーも重なり、最初は夜行っていた会がやがてランチになるというのは、他の日本人の方からもよく聞きます。 慣れると気にならなくなりますが、はじめのうちは本当に変に気を使ってしまうことが多いかもしれません」

 一方で中里さんは、「宗教については基本的な事を理解し、最低限の事(お祈り、ラマダン、お酒・豚肉はご法度)に気をつければ特に構える必要はありません」と語ります。

 その上で仕事上、気をつけることは以下のことです。

「インドネシア人は、はっきり物を言わない人が多く、指示に対して露骨に反論したり、強く意見を主張する事があまりありません。それゆえ指示する側としては、一見すると素直で助かるなと思ったりするのですが、気をつけておかないと実は全然指示の内容を理解していなかったり、腹では賛同していなかったりする事もあります。 そのため、思っている以上に十分なコミュニケーションを心がける必要があります。

 また、人前で怒る事、怒られる事を非常に大きな恥と考えるので、インドネシア人スタッフを叱る時は、他の人に見られない場所に呼び出して1対1で叱る等の気遣いが必要でしょう」(中里さん)