橘玲の日々刻々 2014年1月14日

今年起こることはわからないが
10年後の日本を予測することは簡単だ
[橘玲の日々刻々]  

 日本の人口は2005年から減少を始めており、2030年には1億1500万人、2050年には9500万人まで減ります。その一方で総人口に占める老年人口(65歳以上)の比率は30年には31.8%、50年には39.6%に上昇し、年少人口(14歳以下)の比率は30年に9.7%と1割を切ります。

 日本のような先進国では年齢ごとの死亡率はほとんど変化しないので、いまのゼロ歳児が平均寿命を迎える八十数年後まで、人口構成がどうなるかはあらかじめ決まっているのです。

 もうひとつはっきりしているのは、日本国の借金が増えることはあっても減らすのがきわめて難しいことです。国と地方の債務の合計は1994年に450兆円、2000年に700兆円でしたが、現在は1200兆円に迫ろうとしています。

 国の借金というのは、国債を発行して集めたお金を国民に分配した結果です。この借金は年間50兆円のペースで増えており、それを1億人で割れば50万円で、これが赤ん坊から高齢者まで日本人が棚からぼた餅のように受け取っている平均的な金額です。もっともその配布先は高齢者に偏っていて、13年度の社会保障給付(年金・健康保険)は100兆円を超えているのに子ども・子育て関連は5兆円しかありません。

 少子高齢化の進展とGDP比2倍を超える債務残高によって、この国の未来の選択肢はきわめて限られています。しかしそれはとてもゆっくり進行するので、どれほど深刻か気づかないまま日々が過ぎていくのです。

       『週刊プレイボーイ』2014年1月6日発売号に掲載


 

 <執筆・ 橘 玲(たちばな あきら)>

 作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編』『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券編』(以上ダイヤモンド社)などがある。ザイ・オンラインとの共同サイト『橘玲の海外投資の歩き方』にて、お金、投資についての考え方を連載中。

 
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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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