「モノのインターネット」が進展すると<br />部屋中にグーグルの広告が表示される?ネストの煙探知機

 グーグルがスマートサーモスタットの開発会社「ネスト(NEST)」を、32億ドルで買収する。

 ネストは、元アップルの上級副社長のトニー・ファアデルが共同創設した会社。

 同社の製品であるサーモスタットのネスト、その後発売された煙探知機ネスト・プロテクトのいずれも、見た目がシンプルで美しく、ネストはアップルの次に最もアップルらしい会社と言われていたほどだ。

家庭内のモノがネットでつながり
グーグルのアカウントで連携する

 ネストの特長は見た目だけではない。同社が作るのは、AIを搭載した学習する賢い製品だ。サーモスタットは、住人の気配を感じ生活パターンを学習して、それに合った適温をその都度調整する。

 煙探知機は、どの部屋でどの程度の煙が発生しているのかを知らせてくれ、もし誤報だった場合には警報を止めるのに探知機に向けて手を振るだけでいい。これまでのように椅子や机の上に上ってカバーを取り外し、といったことをやる手間が不要なのだ。

(関連記事:「モノのインターネット」がじわじわ生活に浸透している)

 グーグルがこのネストを買収したことには、大きな潜在的意味がある。

 まずは、モノのインターネット化、コネクテッドホームへグーグルが大きく踏み出したことを示すという点。これまでグーグルは、ネクサスのスマートフォンやタブレット以外にうまいハードウェア製品を作れずにいた。

 だが、ネストはすでに成功を収めている有望な企業だ。ここから、ネットでつながるモノやネット化された住まいへ拡大していくことも考えられる。たとえば、車が車庫に帰ってきたのを察知して、部屋の温度を高くするといったことも可能だろう。