ニコニコ動画の無償放送が
引きこもる当事者の“つなぎ役”に

「2年かけて、少しずつ人がつながってきている」

 そう話すのは、毎日、インターネット放送を通じて、引きこもる当事者たちに呼びかけしている「清水ひきこもり研究所」(静岡県静岡市)の原科佳衛(よしえ)さんだ(第172回参照)。

 その“つなぎ役”を買って出ている原科さんは、当事者でも支援者でもない。大手企業に勤める会社員ながら、当事者からのアイデアで、2年以上前からニコニコ動画に放送枠を開設。深夜の時間帯を中心に、無償で放送を続けてきた。

「先日の新年会にも、地方の引きこもりの男性が来てくれたんです。前回のオフ会には行きたいのに怖くて行けなかった。“深夜なら外出できるのに”と1行コメントが入ったんです。そこで深夜に、その地域の自宅近くまで会いに行ったら、彼はスカイプができるようなって、顔は出さないものの、自分で放送もできるようになった。私の知らないところで、放送を通じて、深夜に他の引きこもりの方とも会っていました」

 人が人とつながると、誰も想像していなかったような化学反応も起きるかもしれない。原科さんは、こう今年を予測する。

「彼が新年会に来たことも放送しているので、その影響もどこかで起きるかもしれない。スピードは遅いけど、引きこもりの人同士のつながりが広がっていく年になるのではないか」