新興国投資 2014年1月31日

カンボジア指数構成銘柄は1社のみ
待望の上場2社目は誕生するか!?
[どんとこい!フロンティア投資]

流動性が乏しく資金流出が続く
市場活性化の起爆剤となるか!?

カンボジア証券取引所の受付。2年前にはプノンペン水道公社に続き、テレコムカンボジアやシアヌークビル水道公社など上場候補が目白押しだったが、いまだに上場企業一社のみの状態が続いている。(Photo:©木村昭二)


 さて同社のIPOですが、予定では今回の上場で800万株(発行済み株式数の20%)が、入札価格7400~1万4000カンボジアリエル(約189~358円)で売り出されます。投資家は入札価格の範囲内で価格と株数を入札、合致したところで公募価格が決まるシステムです。ただし、今回は売り出されるうちの40%をPotentioal Invester(潜在投資家)割当て分として主幹事のプノンペン証券が確保、一般投資家に割り当てられる株数は480万株です。

 Potentioal Investerなどという制度は、プノンペン水道公社のIPO時にはありませんでした。プノンペン証券はまだブックビルディング価格が決まっていない昨年の2月ぐらいから「大口機関投資家など向けに価格を問わず購入を予約する」成行買い注文を募っていました。どうやらプノンペン証券はこれを対しゴリ押しでSECCに認めさせたようなのです。これを受け、台湾系のファンド(プノンペン証券は台湾資本の証券会社)が億単位で資金を入れるとも聞きます。

 いろいろと不透明な要素はあるものの、カンボジアでは証券取引所運用ルールにより上場初日の値幅制限が「上限は公募価格の150%まで、下限は公募価格の90%まで」と定められています。リターンよりもリスクが少なくなるよう設定されているわけで、欲張らなければうまみがあると言えるかもしれません。ちなみに、カンボジア水道公社が上場したときには上限いっぱいに張り付き、その後4日間は売り物がなく買い気配のままでした。

株式市場は低調だが不動産市場は相変わらずの活況。工業団地やコンドミニアムの建設が相次いでいる。投資資金を株式市場に呼び込むことができるか!?(Photo:©木村昭二)

 ベトナムの証券市場も上場銘柄数が少ないうちはなかなか活況とならず、10社くらいが出揃って初めて流動性が出てきました。カンボジアでもグランドツインズインターナショナル社に続いて、プノンペン経済特区(投資家の資金で整備を進め賃料等から配当する)やTYファッション社も、今後数カ月以内の上場に向け準備を進めていると聞きます。カンボジア証券市場も活性化に向け、ようやくその第2歩目を踏み出すか――に思えました。しかし、ことはそう簡単には運ばなかったのです!

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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