年明け後、株式市場は乱高下を繰り返し、個人投資家にとっては投資しにくい環境に見える。だが実は、このような相場こそ投資のチャンス。個別に銘柄をみていけば、隠れた割安株や成長期待の株が必ず見つかるからだ。買っていい株220、買ってはいけない株80銘柄を一挙掲載した。

 著名投資家バフェットなら
どの日本株に投資するか

 世界的に著名な投資家、ウォーレン・バフェット氏。なぜ彼は長期間にわたって高い運用実績を残せるのか。バフェット関連の著作を手がける大原浩氏に、バフェット流投資の神髄を語ってもらいました。

 バフェット流投資は、簡単でシンプルですが、深い。美しい物理学の公式が、非常に難しいのと似ています。バフェットの投資基準は、①「定価」より割安か、②成長性のあるビジネスモデルを持っているか、という2点に集約されます。

 まず①の割安かどうかの判断基準ですが、株価が半値になったからといって割安とは限りません。もともと過大評価されていた可能性もあるからです。だからこそ、定価=企業価値をしっかり把握することが重要なのです。

 バフェットは、どうやって投資対象の定価を決めているのか。大物投資家だけに、きっと独自の情報源を持っているのではないか、と思うでしょう。実は、彼の情報源は、決算書や会社案内、業界紙や日刊紙などすべて公開情報なのです。

 そのようにして企業をじっくり研究し投資するに値するかどうかを検討するのですが、その間は株価を見ません。投資するに値しないかもしれない企業の株価を見ても時間の無駄だからです。

 ②の成長性のあるビジネスモデルとしてバフェットが評価するポイントは二つあります。「仕入れ力」と「ブランド力」です。

 仕入れ力というのは、言い換えればいかに仕入れなどのコストを抑えられるかということです。コストを低く抑えていれば、売り上げが落ちても赤字になりにくく、経営が安定します。

 ブランド力は、販売力に直結するので重要です。ただし、高級品を売ることだけがブランド力ではありません。米国のウォルマートのように、「いつも安く売る」というのもブランドなのです。

 このようにして投資する対象を決めると、ここからがバフェットの真骨頂。投資対象の株価が定価より割安になるのを、じっと待ち続けるのです。彼は「投資とは打者が何回でも見送りをしていい野球である」と述べています。ホームランボールが来るまでひたすら待つ。この忍耐力こそ、バフェット流投資の神髄といえるでしょう。

 では、具体的にどの銘柄を選べばいいのか。詳細は、本誌の「バフェット基準で厳選した株」をご覧ください!

アベノミクス相場は後半戦
降りるポイントを見極めよ

 今後相場はどうなっていくのか。かつて本誌コラム「マネー経済の歩き方」で、読者から圧倒的な支持を得ていた経済評論家の山崎元氏に、アベノミクス相場2年目の注意点をお聞きしました。

 アベノミクス相場は金融緩和を手がかりにして上がってきた相場です。今はだいたい5合目か6合目で、後半戦に入ったところ。去年ほど安心して「買い」だとは言えないけれども、結局のところ、まだ「買い」ではないでしょうか。

 ただ、1980年代後半の金融バブル相場の経験則からいうと、金融相場は後半にいくに従ってだんだん振れ幅が大きくなってくるので、どこまで相場についていくか、見極める必要があります。その際、注意すべきポイントとしては大きく三つ挙げられます。