超小型モビリティ「実需の精査」に真っ向勝負!<br />熊本県がホンダと組む本当の理由晴れの舞台に、皆が笑顔。ホンダ「MC-β」を開発した、本田技研工業スマートモビリティ開発室と本田技術研究所の関係者 Photo by Kenji Momota

日本国内で最大級の実証試験がついにGO!
まずは、人気の新興住宅地で公道試乗会

 熊本県とホンダがついに、「実需の精査」を目指す本格的な旅に出た。

本連載第157回で紹介した、熊本県の電動カートを含めた次世代車の実証試験。これと入れ替わるように、「次世代小型電動パーソナルモビリティによる社会実験」が始まる。

 平成25年から平成27年までの3年間、熊本県小型電動モビリティ導入促進協議会(熊本県、本田技研工業、本田技術研究所により構成/以下、協議会)が県内7市町で超小型モビリティの実証を行う。今回の取材では、その“事実上のキックオフ式”に立ち会った。

 2014年1月23日(木)、快晴。

 大型ショッピング施設の「ゆめタウン・光の森」(熊本県菊池郡菊陽町)の屋外駐車場に、小型移動体が4台並んだ。

「MC-β」。ホンダが開発した超小型モビリティだ。2013年11月の東京モーターショーでも屋内試乗会が開催されたが、今回は同車として初の公道試乗会が行われた。

 その日の午前10時30分。協議会を代表して、熊本県商工観光労働部・新産業振興局・産業支援課・課長の奥薗惣幸さんが挨拶に立った。

「良いところ、悪いところ、全てを含めて『本音』が大事。クルマに対する固定概念を捨て、いろいろな生活シチュエーションでの広がりを、皆さんで考えていただきたい」(奥薗氏)

 その後、NHK熊本放送局、RKK熊本放送、TKUテレビ熊本、KAB熊本朝日放送、KKT熊本県民テレビ、そして熊本日日新聞などの地元報道陣向けの試乗となり、筆者もここに参加した。