目指すところがはっきりすれば、KDDIか住商かといったことは関係なくなります。決まったことに異論を挟む出向者がいれば、それは元の会社に帰ればいいんですよ。私が排除します。それぐらいのつもりでやらなければなりませんし、それほど、ブランド構築は重要だと考えています。

――なぜ、ブランドにこだわるのでしょうか。

 私は、auの商品企画部長を務めたことがあります。例えば、2003年発売のINFOBAR(インフォバー)に関わっていました。これは、デザイン性の高いストレート形の携帯電話ですが、二つ折りにする携帯の全盛期だったこともあり、社内でも「売れるわけがない」「販売する自信がない」などと反対意見が多く出ました。

 また、当時は、auという名前こそありましたが、「学割先行で安かろう、悪かろう」といったブランドイメージがつきまとっていました。

 そのため「auのブランドを刷新しないといけない」「新しいことをやらないといけない」という気持ちを強く持っていました。デザイナーの深澤直人さんにお願いをして、大ヒットにつながりました。

 また、第3.5世代携帯電話「WIN」というモデルにも関わりました。赤と黒の色違いの携帯ですが、メーカーが異なる双子機として注目を集めました。そのうちに定額制の料金プランも導入することになり、今のauブランドを築き上げていくきっかけになりました。

 au のブランド構築に貢献できたという思いがあるからこそ、今回、JCOMブランドの再構築も重要だと思っているのです。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 小島健志)

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