銀メダルはストイックさの賜物か?
葛西選手の人柄に見るレジェンドぶり

 41歳の葛西紀明選手が、ソチオリンピックのジャンプ・ラージヒル個人で銀メダルを獲り、団体でも銅メダルに貢献したニュースに、日本中が沸いた。特に、団体では20歳以上も年下の選手と一緒になって、メダル獲得という目的に向かう姿は、わが国の熟年層にとって大変重要なヒントを与えてくれたような気がする。

 葛西選手はチームの絶対的なリーダーであり、若い選手にとっては頼りになる大きな存在だろう。その一方、それらの選手の明確な目標役でもある。さらには、20歳年下の選手には「父親のような存在」と言われる。

 おそらくわが国の熟年層も、若い人たちから葛西選手のように見られるのが1つの理想形なのではないだろうか。それが可能であれば、企業などの組織の中でも、熟年層の存在意義は大きいはずだ。

 41歳と言えば、スポーツ選手としては熟年の部類に入るのだろう。しかし、テレビに映る葛西選手を見ていると、年齢を感じさせない熱いエネルギーがある。また周囲の人に対する気配りにはとても暖かいものを感じる。

 それだけではなく、同選手のジャンプ競技に対するストイックとも言えるスタンスに対し、各国の有力選手やライバルから賛辞が贈られることが多かったという。また、かなり前から海外のメディアでも賞賛されていたようだ。

 葛西選手に関して、知り合いのスポーツ記者らに話を聞くと、異口同音にいくつかのポイントが浮かび上がってくる。まず1つ目は、葛西選手のストイックな日常生活だ。ある記者によると、同氏は友人などに呼ばれて食事をした後には、必ず体重計に乗って体重と体脂肪率をチェックしていたという。